🎵「愛されることが夢だった。でも、私が演じるのは“悪役令嬢”という役割――」🎵

リヒト様、それが貴方の“真実の愛”なら――この私、喜んで悪役に徹してみせますわッ!?

完璧な淑女教育、微笑みのレッスン、隣を歩く姿にふさわしくなる努力…
ローズ・アディールは、「王子妃になるべき女性」としてすべてを捧げてきた。
でも、彼女の愛しい婚約者・第三王子リヒトは、別の令嬢と恋に落ちていた。
しかも、それをこの目で目撃してしまったその日。
心がひび割れていく音を聞きながら、彼女はふと気づいてしまった

——あれ? これってもしかして、「悪役令嬢ルート」じゃない?

ここからが、この物語の最大の魅力。
普通の乙女ゲーム転生ものとは違って、ローズは転生者でもなければ未来を知ってるわけでもない。
だけど、彼女自身が気づいた「自分の立場」に**自発的に役割を乗りこなそうとする“女優魂”**がヤバい。

「浮気された? じゃあこっちは、“全力で別れを応援する悪役”に徹しますわ!」

この切り替えの早さと、涙の奥にあるプロ意識(?)に、読者たちは驚き、そして爆笑する。
ローズの行動は、冷静沈着でありながらもズレていて、それがとにかく面白い。
なにより、この作品の絶妙なコメディとロマンスのバランス感覚が秀逸すぎる!

そして、なぜか段々とリヒト王子が「え、待って、もしかしてローズの方が……」って気づき始める、あの流れ。
浮気王子のくせに、“手放してから後悔し始める男”ムーブ、ある意味リアルすぎてニヤニヤが止まらない。
一方で、ローズはローズで、新たな出会い(まだ秘密)に揺れ始める展開も待っていて、
「ねえ、もう一回恋してもいいですか?」って問いかけが読者の胸をくすぐる。

コーヒー牛乳ヤマトイヌル先生の脚本センスがまた秀逸で、
ローズのセリフの端々に**“可憐な毒”“笑える自己ツッコミ”**が散りばめられている。
台詞回しのセンスにキレがありながらも、ちゃんと感情のリアリティもあって、
読みながら「この子、幸せになってくれ~~~!!!」って叫びたくなること請け合い。

悪役令嬢と呼ばれてもいい。
その“配役”すらも、彼女は自分の人生を守るための武器に変えていく。

ローズ・アディールはただの失恋令嬢なんかじゃない。
彼女は、「悪役」になりきることで、真のヒロインに変貌する女なのだ。

上部へスクロール